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■ 開聞岳と不思議な知林ヶ島
37日目/2007/11/29(木)
鹿児島県 鹿児島市「道の駅 喜入」
鹿児島県 薩摩川内市「道の駅 樋脇」
走行距離:191.9km
計:7284.5km
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AM5時に起床。
雨は上がったみたいだけど、どうにもこうにも暑いっ(´д`;)。これならトレーナーは必要無し。寝付けないままAM7時までワンセグを見つつ、今日のルートを確認して過ごす。


朝から汗だくで気持ちがワルイので、まずは温泉で有名な指宿(いぶすき)の朝風呂を堪能しよう。砂風呂も有名だけど、今はそんな気分ではありませぬ。
226号を南下して指宿市に入る。そこら中に温泉が出てるのかと思ったけど、国道を見る限りは普通の町という感じです。ナビに従って、さっき調べておいた「殿様湯」を目指します。
市内の国道から少し外れたところにありました。これはかなり好みの雰囲気です。

歴代の藩主の名がズラリ 隣の空き地が駐車場です

AM7時からの営業で、早朝から入れるのも嬉しい。浴場の向かいに母屋があって、開けっ放しの玄関先で女将さんに代金を払います(270円)。シャンプーを切らしていたので、これも購入(180円)。

殿様の名を冠している通り、ここは薩摩藩二十七代当主の島津斉興の作った別荘の跡地だそうです。歴代の藩主が通った湯に300円足らずで入れるとは、いい時代に生まれたのだなぁ。
戸を開けるとすぐに脱衣所になっていて、大きい窓のおかげで中は明るい。浴場の真ん中に小さな石造りの湯船があり、○に十字の島津の紋が描かれています。左右の壁にカランが並んでいて、シャワーはナシ。では、一礼して殿様のありがたいお湯を体に掛けます。うむ、熱気持ちいい。
湯船のほうはかなり熱く、薄めた気配がないので一番風呂をゲット。ジワジワと体を慣らしながら浸かると・・・うは〜、生き返ります。


サッパリして体も温まったところで、次は鹿児島湾に浮かぶ「知林ヶ島(ちりんがしま)」へ向かいます。
「殿様湯」からはほど近く、指宿市北部にある田良岬の突端から見えるようです。海沿いの238号を一直線に走っていくと、「指宿エコキャンプ場」がありました。どうやらこの先が目的地みたいだ。

芝生も綺麗に残っている 全体の半分ほどが立入禁止区域

かなり広い敷地だけど、駐車場も空っぽだし、誰もいません。ところどころに「ここから先はキャンプ利用者以外立入禁止」のロープが張ってあって、何だか「余所者は来るな!」と拒絶されてるみたい。
遠回りに通れる場所を探して進んで行くと、海岸が見えてきた。そして、岬の先端に到着。

行きたくても行けぬ「知林ヶ島」

ここは是非来たかった場所です。周囲およそ3kmほどの無人島で、自然がそのまま残されています。最も特徴的なのは鹿児島湾と東シナ海の海流がぶつかり合い、大潮の時に積もった砂で姿を表す「砂の架け橋」。これで800mほど離れている島まで歩いて行くことが出来るのです。スゴイ。
でも、7月の台風の影響で砂州の大部分が流れてしまったので、この時は渡島は禁止になっていました。もっとも3月から10月までが架け橋の出来る時期なので、どちらにしろダメですな(´〜`;)。事前にわかってはいたけど、それでも島を目の前にすると惜しい気持ちになります。
よく見ると左右から波がぶつかり合っているのがわかります。不思議な現象なので、じっくり観察しておきました。

中心に向かって波が左右から押し寄せています 自然の力には逆らえません

余談ですが、これを書いている2008年の大河ドラマ「篤姫」は鹿児島が舞台なので、この知林ヶ島をはじめ、立ち寄った箇所がいくつも出て来くるので感情移入がし易い。旅の影響は実生活の中でもジワジワと出ています。


駐車場に戻る頃には日も出て来ました。お次は薩摩半島の最南端「長崎鼻」へ向かう。
ほぼ一直線に走ればOKなので楽々。226号から242号へ入ると、遠くにこんもりと盛り上がった山が見える。お、あれは「開聞岳(かいもんだけ)」ですか。遮るものがないので綺麗なカーブの輪郭がバッチリ確認出来ます。ちょっと曇り気味だけど、これなら薩摩富士と呼ばれるのもわかりますな。

この辺は観光客が車道に出てまで写真を撮っているので危険です


長崎鼻の駐車場はかなり混んでいて、観光バスの団体さんが途切れなく出入りしています。隣には「長崎鼻パーキングガーデン」という亜熱帯植物園があって、中からは鳥だか猿だかの鳴き声がこだましている。駐車場はこちらと併用になっているようで、ありがたいことに無料です。
先端の灯台まで一本道が伸びていて、お土産屋がズラリと並ぶ。お店の人も元気よく声を掛けてくる。販売実演なのか、パタパタ飛行機を延々と飛ばしているオジサンもいた。周りの流れに紛れて奥へ向かう。

薩摩半島最南端「長崎鼻」に到着

辺りは赤みを帯びた火山岩が広がっていて、真ん中に細身の「薩摩長崎鼻灯台」がチョコンと建っている。灯台まで道が舗装されているので楽に先端まで行けます。

ここからも開聞岳が見えますね

岩場、海岸、灯台、開聞岳が一カ所で楽しめる贅沢な場所です。ここは浦島太郎伝説の発祥の地で、近くには日本書紀に出て来る豊玉姫(乙姫様)が祀られた「竜宮神社」があります。

先端の岩場には釣り人もいる 端っこにチョコンとある神社

ちょっと威厳が足りない気もするけど、近くの海岸にはウミガメが産卵にも来るのでカタチにはなっているかと。

狭い場所にひっきりなしに人が来るので、適当なところで切り上げます。


さて、あとは北へ向かうのみですが、近くに気になるモノがあります。それは「ムー大陸博物館・多宝仏塔」。
うーむ、博物館というからにはムー大陸は実在したという前提なのでしょうか。地図にちゃんと載っているのでインチキな施設ではないと思いますが・・・遠回りするわけではないので行ってみます。
243号を北上して、28号から険しい山道へ入ります。走っている間はずっと開聞岳が顔を出していて、見れば見るほど見事な貫禄だ。

人里から離れた矢筈岳の山中に数台の車が停まっている場所を発見。う、あの目立つ真っ赤な門は間違いない。

「ムー大陸博物館」に到着 何か意味ありげな模様の歩道

高さ3〜4mほどの巨大な門だけど、真ん中の扉は閉じたままだ。左の勝手口のほうを見ると、「寶台寶物館(=ムー大陸博物館)は境内の工事に伴い、休館のお知らせ」と書いてある。うへぇ、ここまで来たのにやっていないのか。ある意味で助かったのかもしれないけど。
ふと横を見ると、小屋の中にオバサンがいるのに気が付いた。ダメ元で聞いてみると「寶台寶物館には入れないけど、塔にはに登れます」とのこと。「塔」が何なのかわからないけど、せっかく来たので見るだけ見ていこう。
料金を聞くと「無料でご覧になって下さい」とのこと。メイン施設が見られないからでしょうかね。それならば遠慮なく入らせていただきます。

門から奥へは石造りの歩道が伸びていて、途中には木の手入れをしている業者がいました。こうして歩いてみると、かなり広い敷地みたいだ。
まず初めに目に付いたのは「解脱門」。入口と同じ様に赤く塗られていて、やはり扉はキツく閉ざされています。

潜ると解脱してしまうのだろうか

さらに奥へ進むと、開けたところに異様な建物が見えてきました。こ、これが「塔」なのだろうか。

たぶんおそらく、これが「多宝仏塔」

うーむ、これは奇妙奇天烈。今まで見てきたものとは明らかに違うオーラが漂う。よく考えたら客は自分一人しかいないので、ちょっと不安になってきました(´д`;)。まぁとりあえず登ってみよう。

てっぺんからは象が見下ろしている 四隅には塔を照らすように像を配置
壁面には神話をモチーフにした様な絵 開聞岳もシッカリと見えます

よく見れば全体が綺麗に手入れされています。これだけの規模のものを維持出来るのには色々と何かあるのだろう、と考えてしまう。一番上まで登ってみれば、開聞岳や頴娃町(えいまち)を見渡せる絶好の展望地です。塔を支える象の横腹には菊の紋の付いた扉があったけど、開けることは出来ませんでした。

展望台として考えればなかなかのモノです

さらに奥には「摩尼珠嶺(読み不明)」という男女の像がある。ここまでは高低差のある長い長い階段を歩くので、それなりの覚悟が要ります。途中で引き返そうかと思ったくらい歩きまくって疲れました・・・。

アダムとイブらしい あれが工事中の「寶台寶物館」かな


大ウナギ(2mクラス)が生息するという池田湖の横を通り抜けて、頴娃町のコインランドリーで洗濯を済ませる。ここは昼になると「恋は水色」の曲が流れてきます。実家でも朝と夕方に鐘が鳴るけど、都会暮らしの友人にそれを話したら驚いていました。慣れてると生活の一部なんですがね。

226号を西へ向かう。この辺りは住宅街だけど、車がほとんどない直線道路なので気持ちよく走れます。
枕崎市に入り、名前に惹かれた「火之神公園」に向かいます。市内の外れの海岸沿いにあり、未見ですが「男たちの大和」のロケ地でもあります。
駐車場には猫が大量にたむろしている。踏まないように注意しながら停車。目の前には公園があり、一帯が木に囲われているので海は見えません。テクテクと歩いて広場に出てみると、うむ、これは気持ちいいところだ。

海に面した公園というのはどこも良い

芝生の踏み心地を楽しみながら歩いて行くと、奥のほうには長崎鼻で見た火山岩と似た岩場が広がっています。よく見ると階段状に削れている箇所があって、かなり奥まで行けます。ただ、崖っぷちの高さが結構あるのに手摺りなどはないので落ちたらアウト。注意しながら限界まで進んでみる。

県立公園なのに、安全対策抜きの投げっぱなしの雰囲気
この名前が良いのです 自然のものを活かした作りになっている

奥にそびえ立っているのは漁の守護神とされている「立神岩」です。「男たちの大和」で使われたのはあれのようだ。そしてなんと、高さが42mもあります。ギリギリまで近付いてもまだ小さく見えるから、かなり遠い位置にあるみたいだ。

いくら近付いても大きさが把握出来ません この辺りは猫溜まりになっています


270号を北上。本当の意味で、ここからがUターンになります。周りを深い山に囲われた南薩摩路を走り抜けて、南さつま市を通過。ついでなので「吹上浜」に寄っていきます。

日本三大砂丘の一つでもあります
釣り人もいない海岸はどこか寂しい

砂はサラサラで良いけど、昨日からパッとしない天気でイマイチだなぁ(´へ`)。静岡の晴れ渡った青い海が懐かしい。


この後は270号を北上して日置市、いちき串木野市を通過。内陸の山中には面白そうなものがたくさんありそうなので、明日に備えて「道の駅 樋脇」で休むことにします。

ここには無料で24時間使える足湯があり、飲料用の湯も湧きだしていて大勢の人が汲みに来ています。建物の裏手に広い駐車場があるので、そちらで寝ることにしよう。
夜になっても車は大量に残っていて(珍しい)、民家が近くにあるのに何台かがアイドリングをしているのが気になる。施設とは関係なく、こういうのが各道の駅の悪い印象として残ってしまう。
横になっても色々なことが頭に浮かんで来て、しばらく眠れませんでした。その合間に明日のルートを確認していると、いくつか新しいポイントを発見。せっかくなのでコースを大幅に変更することにします。
結局、眠れたのはAM3時頃でした。zzzz・・・・。

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