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■ 本土最南端の佐多岬を制覇
36日目/2007/11/28(水)
鹿児島県 肝属郡「道の駅 根占」
鹿児島県 鹿児島市「道の駅 喜入」
走行距離:175.1km
計:7092.6km
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AM6時に起床。
夜中に雨音と蒸し暑さで何度か目が覚めた。駐車場には自分と昨日のオジサンしか居なかったみたいだ。挨拶をしていこうかと思ったけど、まだ寝てる気配だったので静かに出発。


ここから南へ下った先には本土最南端の「佐多岬」があります。入場はAM8時からなので、時間調整をしながら進もう。

まずはすぐ近くにある「薩英戦争砲台跡」に寄ってみよう。
まだ日も登らず視界が悪いので注意しながら走っていると、何ともわかりやすい食堂の看板を発見。

味の大砲

隣の空き地に車を停めて、海岸沿いの歩道を降りる。暗くてわかり辛いけど、岩がゴロゴロ転がっている海岸に四角い石がはめられている。んん?これが砲台跡?

ここに砲台が・・・(´へ`)? ポッカリと穴の空いた手洗鉢

その側には薩摩藩二十八代当主の島津斉彬が巡視で訪れた際に使用したという手洗鉢があります。
うーむ、イマイチ腑に落ちないけど、他に何もなさそうだし先へ進もう。


海岸沿いの269号を南下。ところどころの交通規制で足止めを食らいながらも、出勤ラッシュは皆無で黙々と走り続けます。
佐多の町内を抜けて山奥の68号に入る。事前調査だとアップダウンの激しい道とあったけど、絶望するほど酷くはありません。最近までは「佐多岬ロードパーク」という有料道路が機能していたのが、今年の2007年4月で廃止になっています。ちょっと得したかも。その名残のゲートが手付かずで残っているけど、気にせず素通りします。
ん・・・・? かつては有料だった道で目に付くのは、車道にザックリと切り抜かれた段差。これが大量に存在しています。ロードパークの廃止と関係があるのだろうか? 避けるには対向車線に大きく乗り出さないとダメで危険。何かのトラップにも見える。

こんなのが大量にあります 周りは南国ムード

注意しながら進んで行くと放置されたゲートがいくつかあり、最後に北緯31度のポイントを発見。ここがカイロ、ニューデリー、ニューオリンズ等と同緯度なんですねぇ。ふむ。

カーブ続きの坂を登リ切ったところで、鬱蒼とした木と岩に囲われた小さな駐車場に到着。時間は見事にAM8時ピッタリ。
トンネルの入口にゲートが設けられていて、入場料300円はここで払います。本土最南端到達証明書も売られていたので、記念に一枚ゲット(105円)。それにしても、廃止の廃止で殺伐とした雰囲気がする最南端です。シーズン中は混雑するらしいけど、トータルで見たらこんなところまで来る人は少ないのだろう。

ちょっと強引な気がしないでもない 狭いトンネルの中を進む

トンネル内は真っ暗で、遠くの出口の光しか見えない。自分の足音だけが響く中を進む。コツコツコツコツ・・・。 トンネルを抜けると、あら?森の中のような広場に出た。そして、遥か彼方に小さくT字型の展望台が見えます。

あんなところまで歩くのですか 最南端への道は険しい

案内図のルートをよく確認して、遊歩道に入る。展望台まで歩くというのは知っていたけど、よもや登山寸前の山道を歩くとは思わなんだ。幸いに雨は止んでいるけど、鬱蒼としたジャングルは蒸し蒸しジメジメですぐに汗だくになってしまう。
途中の「御崎神社」に寄り道をして、改めて展望台を目指します。

山中に佇む「御崎神社」 南国植物と神社の構図はちょっと面白い

遊歩道の途中の足場からは眼下の断崖絶壁と太平洋が見渡せます。

木に囲まれているので不意に見ると驚く 水平線が見えないほどの曇り

せっせと進んで行くと建物が見えてきた。・・・けど展望台では無さそう。こ、これは何だ?
断崖に廃墟と化したレストランが残っています。大量の落書きと破壊尽くされた室内、くすんだ窓からは大量のソース瓶が見える。うぅむ、曇りの天気と相まって異様な雰囲気の最南端。

中は荒れ放題だ 生々しいなぁ・・・(´д`)

いや、ゴールはもうすぐだ。気合いを入れて進もう。坂道を登るとおみくじの自販機がポツンとあったりしながら、ついに公式本土最南端へ到着。

本土最南端にAM8時16分着ヽ(*´〜`*)ノ
島の上に建てられた「佐多岬灯台」は見るだけ 1回100円だったかな

灯台は孤島の上にポツンと建っていて行くことは不可能です。せめて晴れていればなぁ。

一番奥にある展望台に入ると、オバアサンがイスに座ってお金を数えている。どうやら最上階の展望室へ行くにはお金を払う必要があるらしく、200円を渡して上へ。何だか中途半端な徴収の仕方だ。
階段を登っていくと先客が一人いて、途中で擦れ違いました。一番乗りかと思ったのにちょっと残念。

!(´д`) 見下ろせば結構な高さ

うお、な、何だこれは。本来壁があった部分はすべて取り除かれていて、全面に金網が張り巡らされている。「柵外での事故は一切責任を負いません」とあるけど、転んでもたれ掛かったら突き抜けて落ちてしまうのではないだろうか。写真を撮ろうにも小さな枠穴からしか完全には見渡せません。これは・・・ちょっといかがなものかしらん。


ある意味で見晴らしはいいのだろうけど、曇りだし何もかもが惜しいなぁ。
ところどころの壁には到着記念の落書きが無数にあり、現状を見ても大切にされてきた気配はありませんね。それでもこの荒れ様は相当なものです。一階には落書き防止のためか、記帳ノートが置かれています。日付を見ると、それなりに人は来ているみたいだ。記念に一筆残しておこう。

駐車場へ戻る時に、展望台で擦れ違った人に追いつきました。

「あれ、もう戻って来たの?」
「はい、このあと桜島まで行くんですよ」
「そっかぁ、もっとゆっくりしていけばいいのに」

確かにその通りなんですが、スケジュールにそれほど余裕はないのです(´・ω・`)。


トータルで見ると奇妙なところではあったけど、何はともあれ、無事に最南端制覇出来ました。あとは北へ引き返すのみ。

来た道を戻っていくと、「ふれあいパーク佐多」というPAを発見したので寄り道。ここには岬で近付けなかった「佐多岬灯台」に関するものとして、八角型のモニュメントがあります。あの灯台は1866年の江戸条約に基づいて作られた8灯台の1つで、日本における西洋式近代灯台の中でも最も古いものだそうです。あんな小島に建てるのは大変だったのだろうなぁ。

小さい木製の展望台があります 灯台モニュメント
こんなものを発見

ここから最北端の宗谷岬まで2700km。数字だけ見るとそんなに遠くない気がするのは、1ヶ月以上走り続けて来たせいだろうか。


来た時と同じ道を通って、朝方に寄った「薩英戦争砲台跡」まで戻って来ました。
でも、あの殺風景さはやはりオカシイと思い、再び寄ってみることに。日が出てるので奥の奥まで行ってみると、あ、やっぱりちゃんとしたものがありました。

ちゃんと大砲が再現されています ここから撃たれることはなかったという

1862年、島津久光一行が武蔵生麦村を通った際に、行列を乱したとしてイギリス人を斬殺してしまう。これが原因で薩英戦争が始まった。でも、実際の戦争で使われることは無かったようで、二門の砲台跡が残る貴重なモノとなっています。
ちゃんと確認が出来てよかった。


鹿児島湾を横目に269号を北上。天下の「桜島」を目指します。
その前に、どこかで食事がしたい。錦江町を通り過ぎて鹿野市に入った辺りで「かもめ食堂」の看板を発見。書かれているはまぐりラーメンが美味しそうだし、ここにしよう。
これが入ってみてビックリ。バリバリ元気なオバアサンが一人で切り盛りをしていて、小さな店内には北島三郎の歌が流れまくる。はまぐりラーメンを注文すると、「それよりも今は伊勢エビだね」と伊勢エビの味噌汁を勧められた。オバアサンのテンションに圧倒されながらも色々と話を聞いてみると、相撲の千代の富士の大ファンだそうで、親方が何度か訪れたこともあるそうです。
「男は普段は上げないけど、特別だよ」と、食堂の隣にある建てたばかりの室内を見せてもらいました。華道の先生でもあるそうで、部屋は花のいい香りがする。中には巨大な皿やら松竹梅がそのまま並び、天井には扇子の模様。親方からいただいたレアな番付表など豪勢なモノがたくさん。うーむ、ラーメンを食べに来ただけなのに、エラいものを見ることになりました。
「人との出会いはどこでどうあるかわからないからね」というオバアサンの言葉が実感出来ます。人生何が起こるか分からん。

どんどん品が追加されていく 焼きはまぐりも美味しい

肝心の伊勢エビの味噌汁は実に濃厚でとても美味しい。オマケにサラダや焼きはまぐり、豚汁などもいただいて、話し込んでいるうちに2時間も経ってしまった(´〜`;)。味噌は腹に持つというので、あとは夕方まで何も食べなくていいかも。代金を聞くと
「うーん、1000円でいいよ」
えぇっ!? 明らかに安過ぎるけど、おかげで満腹になりました。感謝。
「嫁さんが出来たら連れて来なさいね」と遥か南の地で約束をして、かもめ食堂をあとにしました。

ガツンとインパクトの一軒です


時間は昼近く。今日は指宿まで行けるかどうか。とりあえず、桜島まで車を進めよう。
68号を北上してすぐのところで、何やら海に浮かぶ鳥居を発見。もちろん宮島ではないけど、気になるから寄ってみよう。車道向かいに駐車場が設けられています。

南国の神社はどこもオシャレです
赤い岩とのコントラストが美しい

曇り空でも透明で綺麗な青い海をしている。白砂も美しい。ここでは綺麗な貝殻が拾えるという。鳥居には「菅原神社」とあって、小島の上に向かって石段が続いています。

もう這い上がるような感じ 頂上には隠れるように朱塗りの社

案内板によると、ここは「荒平天神」で、あの学問の神様「菅原道真」が祀られています。満潮時には完全な島になるとのこと。奥のほうの岩場には釣り人が数人いました。


再び北上して垂水市に入って間もなく、遠くの空に薄らと山の陰が見えてきました。

堂々とした貫禄のある姿です

おおっ! あれが桜島ですかー。曇りで薄いシルエットしか見えないのが惜しいけど、微かに煙を噴いているのが確認出来ます。

桜島港へは時計回りに行ったほうが早いけど、色々と見ていきたいので遠回りをすることに。桜島の周りをグルッと囲むように車道が通っていて、反時計回りに行くことにします。交通量の多い220号から26号へ入ると、車の量はガクンと減って急に静かになる。目の前には大正溶岩と呼ばれるゴツゴツした岩が大量にあります。さっきまでとは景色が一変しますね。

周りは全て岩石地帯



島の真東に位置する黒神町には「黒神埋没鳥居」なるものがあります。最初は神社のような建物を探していたけど、何と現物は中学校の隣にありました。

見事に埋没してしまっている
鳥居の横には小さな資料館 久しぶりに赤い羽をゲット

大正3年の大噴火でいくつもの集落が地の底に沈み、残った鳥居の上部のみが顔を出しています。その際に、さっき通って来た大隅半島と桜島が陸続きになりました。神社もこの下に眠っているのですな。観光地化しているのかと思ったけど、建物の影にひっそり存在している感じです。鳥居の隣には桜島の歴史を写真で紹介しています。募金箱もあったので、少しだけ寄付を。


再び26号を反時計回りに進み、あっという間に反対側の桜島フェリー乗場に到着。ここから鹿児島湾を渡ることで大幅なショートカットが出来ます。で、到着したのはいいけど、乗船券を買う場所がわからない。よく見ると、みんな十字路の入口からフェリー乗場に次々と入っていっている。隣の「道の駅 桜島」で休憩がてら調べてみると、どうやら高速道路のような料金所でダイレクトに支払いをして、そのままフェリーに乗り込むスタイルらしい。桜島の噴火の心配から、すぐに退避出来るようにシンプルな流れを作ったそうです。確かに理にかなっています。

行ってみると、料金所では車検証の提示も必要無く、1070円を払ってフェリーの手前で待機。船はひっきりなしに往復しているようで、10分ほど待てば次が来ます。

このお手軽感はいいです 鹿児島湾を越える

自分が一番前だ。ちょっとドキドキ。通常のフェリーでは車から降りなくてはいけないのだけど、乗船時間が短いせいか、みんな車に乗ったまま。このほうが楽でいいですね。現地の人も電車かバスの感覚で使っているようです。


車に乗ったままだと見えるのは白い空だけ。船の微妙な振動で進んでいるのか停まっているのかわからず、ナビを見ると動いているのがわかる。

15分の船旅を終えて 無事に鹿児島市に上陸

昼間は「かもめ食堂」に長居をしてしまったので、今日は指宿の手前までにしよう。とりあえずは南下して、2つある道の駅のどちらかに泊まろう。

226号を南下。巨大な新日本石油基地の側にある「道の駅 喜入」に寄る。 うん、ここは広いし隣にはスーパーもある。ワンセグも見られるし、気に入ったのでこっちに泊まることにしよう。
大きなスーパーでトビウオの刺身を購入。少し骨が残っている。レモンが付いていたけど、味は・・・うーん。
トイレの近くの温水プールのある体育館のほうへ移動してみると、キャンピングカーやトラック、一般車など大量の車が停まっていて安心感も◎。
今日は久しぶりに広いところで就寝。

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